先進国をはじめ世界各国でドローンを規制する動きがますます活発になっている昨今。
今日は世界各国で使用されているドローンの飛行禁止を表す標識を集めてみました。
<2016年6月13日更新>
カナダで発表されたドローンNo Fly Zoneの標識を追加しました。
今後も新たなものが発表、発見され次第どんどんこのブログで更新していきます。
1. アメリカ
スタートはドローン大国アメリカから。
FAA
最初はFAA(連邦航空局)が定めるドローンの飛行禁止ゾーン(Non-Flying-Zone)を表す標識。国のお墨付き標識ですね。こちらは何と3色展開。選べる楽しさがあります。
デザインも一目でドローンが禁止されているエリアだということがわかるシンプルなもので良いです。
個人的には真ん中の茶色が好み。標識って赤、白、黒、青が基本色だから茶色とか逆に目立っていいですよね。
「おっ、何だあの茶色の標識」ってな感じで目を引くものであれば飛行禁止の目的達成への確実な一歩になります。
横長のデザインもあります。
違うデザインの横長
⬇は文字でしっかりと訴えるパターン。
これらはすべて以下のFAAのwebsite(こちら)からダウンロードできます。
印刷して身近な場所に貼っておきたいかたは是非お試しあれ。
空港
そして次はどこの国でも100%飛行禁止区域に設定されている空港近辺。
下の写真はデンバー国際空港内の電子掲示板に表示された標識。
空港近くでのドローン飛行は危険であるだけでなく違法であることを強調するメッセージとなっています。
近年、空港近辺や航空機のパイロットからのドローン目撃情報が絶えない状況ですから、こうした警告はもっと増えるでしょうし、そうするべきでしょう。
ゴールデンゲートブリッジ
続いてはアメリカ西海岸サンフランシスコにあるゴールデンゲートブリッジ。
自殺の名所としても知られる橋ですが、ここもドローンの飛行が禁止されています。看板もしっかりと出ています。
ゴールデンゲートブリッジの管理団体のWebsiteによると、橋の上空はもちろんのこと橋近辺でのドローン飛行も安全上ならびにセキュリティ上の理由から禁止されています。
もともとこの橋は多くの交通量があることに加え、観光名所であることから多くの人が訪れる場所。仮にパイロットが操縦ミスをした場合、ドローンに技術的な問題が発生して墜落した場合甚大な被害が予想されることから飛行を禁止すると、サイトには理由も詳細に述べられています。
もしドローンの飛行が発見された場合、対象ドローンの追跡ならびにパイロットの特定が行われ、場合によっては起訴されることもある旨はっきりと記載されています。
イエローストーン国立公園
絵の具を溶かしたような不思議な色合いの湖で有名な世界遺産イエローストーン国立公園。
ドローンオーナーであれば誰もがドローンを飛ばして空からの映像を見てみたいと思うのではないでしょうか?
アメリカでは国内の主要国立公園内でのドローン飛行は違法として禁じる法律を制定しています。
そして当国立公園も2014年6月に公園内でのドローン飛行を禁止。
以下の標識が園内に提示されています。
ところが同年夏にあるドイツ人男が公園内にドローンを墜落させる事故が発生。
公園内でのドローン飛行禁止に違反しただけでなく、許可を取ることなく撮影したことから罪を問われています。
同国立公園ではこれ以外にも3人がドローンの飛行により罪を問われているとのことです。
国立公園の管理事務所は公園内でのドローン飛行目撃についての数多くのクレームを近年受け付けたそうですが、この4件を除いては違反者の特定追跡ならびに責任追及をすることができていないということです。
エリア51
エリア51、皆さんご存知でしょうか。1947年に発生したロズウェル事件で、UFOが墜落し宇宙人が運び込まれたのではという疑惑があった場所です。近年までアメリカ政府もその存在を認めていなかったくらい非常に軍事的機密性の高い地域です。
その地域的特性から以前から民間人の立ち入り、撮影が一切禁止されている場所でしたが、
2人の男がドローンを飛ばす目的で訪問。しかし二人が目にしたのは以前からある立ち入り禁止のサインに追加された、”ドローン飛行禁止”の文字。
その様子を収めた動画がYoutubeに公開されています。
殺風景な景色の中にあるのは、人の侵入を拒むように設置された監視カメラと遠くに見える監視用と思われる車が一台。
他に何もない景色の中で監視カメラと”No Drone”のサインだけがあるという風景はかなり不気味です。
ここ本当に何があるんでしょう。
こちらは以前Twitterでも紹介していますので是非ごらんください。
ケノーシャ市
ウィスコンシン州にあるケノーシャ市では市内の公園でのドローン飛行を禁止しています。
ドローンの公園内飛行禁止は新しい法令ではないそうですが、2015年に入ってからのドローンの急激な人気増加により、公園内に新しく標識を設け訪問者への注意を促すよう対応したとのこと。
また違反者には250$の罰金が課されます。

2. イギリス
リージェンツパーク
ロンドンにあるリージェンツパークでは、ドローンが低価格化し一般の人にも手に入りやすくなったことから、公園内に元々あった標識に公園内でのドローン飛行を禁じる文言を追加。訪問者に注意を呼びかけている。
3. オーストラリア
こちらはダーウィンでドローンを活用して生体調査をしている大学研究員の方が使用している立て看板。
調査場所を訪れた人たちに向けて、ドローンが上空を飛行しているかもしれないと注意を促すためのものです。
他の例のように飛行を禁止するための標識とは用途が異なりますが、ユーザが独自でこういった標識を用意してドローンの飛行をするという姿勢も必要でしょう。
パイロットの操縦ミスによる墜落のリスクだけではなく、撮影域内に居住する人々のプライバシーの問題。そしてドローンの飛行に伴う騒音も問題になる可能性を孕んでいるからです。
4. カナダ
カナダ政府は2016年6月13日増え続ける空港周辺でのドローン目撃事件に対応する形で、空港に設けるNo Drone Zoneの標識を発表しました。下がその写真。
カナダではオタワ空港で近辺でドローンが目撃された事件のほか、ウィニペグ市の空港でも高度900mの上空で着陸をしようとしていたパイロットが航空機からわずか25mほどの位置にドローンが飛んでいるのを発見したという事件も発生しています。
カナダ政府はこうした事件を受けてドローンの飛行についても新しくルールを定めることも検討していると発表しています。
<Source>
http://www.cbc.ca/beta/news/canada/ottawa/garneau-aviation-safety-ottawa-airport-1.3632411
いかがでしたでしょうか。
先進国ですら規制や法案作りに苦慮している事情もあり、なかなか実際に自分の目でこうした標識を目にする機会というのはまだまだ少ないです。今回ぼくが調べた中でも圧倒的に事例が多いのがアメリカ、そして次にイギリス、オーストラリア。
日本では現在のところ国、政府機関が公式に定めた飛行禁止の標識はないようです。
ですが、近い将来必ず、車の標識と同じようにこうした標識があちらこちらに設置されるのが当たり前になることでしょう。