近くというか、タイの隣りに位置するカンボジアのドローン規制。
今まで知らなかったのだけど、アンコールワットのドローン禁止に伴い調べていたらカンボジアのドローン事情に遭遇したのでこちらにまとめておこうと思います。
2015年2月に首都プノンペンはドローン禁止
2015年2月19日付けThe Diplomatメディアによると、カンボジア政府は同日を持って首都プノンペン上空でのドローン飛行を禁じると発表。飛行には事前の許可取得が必要となりました。商業利用、非商業利用の双方が対象になります。
禁止の理由としては
・プライバシー保護
・セキュリティ、安全、公衆秩序の維持
と、一般的に他国でも見られる規制理由と同じです。特に2点目のセキュリティ上の懸念という理由は発展途上国でのドローン規制理由に多いパターンです。
きっかけはある事件
規制が施行されるきっかけとなったのが、規制施行の数日前に起こったある出来事。
あるドイツ人観光客の男性がプノンペンにある王宮上空をカメラ付きドローンを飛ばしていたところ、それがたまたま運動をしていたカンボジア女王に目撃されてしまったのです。
不思議に思った女王陛下は警備に連絡。
すぐさま警察が駆けつけ男は勾留となりました。
女王様に見つかってしまったというのが不運ですね。
※ちなみにぼくが住んでいるタイ王国ももちろん王宮上空はおろか周辺の飛行は禁止です。
もちろんこの事件はきっかけにしか過ぎません。
ドローンは空を飛びかつカメラを搭載できることから、許可なく人々の写真やビデオを撮影できてしまいます。窓越しに食事をしている姿や場合によってはシャワーを浴びているところを撮られるという可能性もあるのです。
こうしたプライバシーの保護の観点から規制につながったという点と、もうひとつはテロリストに使用されることで政府への脅威と成り得るという理由からも今回の規制につながったと伝えられています。
課題は明確なガイドラインを示せるかどうか
地元メディアであるThe Cambodia Dailyによると、他のドローン規制を敷いている国では飛行にあたってのガイドラインが制定されているのに対して、カンボジアのそれはどういう場合にどんな基準で飛行を承認するのかの何のガイドラインもないという点を指摘しています。
なかにはこの全面的なドローンの禁止令を厳しすぎるものとして批判する声もあるようで、例えば王宮周辺をNo Fly Zoneに設定するなどエリアによって制限を分けることもできたはずだとする批判もあるようです。
このプノンペンの事例のようにあるドローン関連事件が発生した後、規制を設けようと動くケースというのは珍しくありません。
ドローンを飛ばす環境が悪くならないよう、一人一人のパイロットが十分に注意を払わなければいけません。
<Source>
http://thediplomat.com/2015/02/cambodia-bans-drones/