ドローンにつきもののリスクといえば、そう”墜落”です。
で、墜落した場合に心配なのがいったい修理にいくらかかるのかということ。
なんせドローンは高額商品。トイドローンをのぞけば高性能のドローンは10万円を超えるモデルがほとんどです。
せっかく大枚はたいて購入したドローンが墜落の憂き目にあってしまった。ああどうしよう。修理に出したらいったいいくらかかるんだろう。
ドローンを持っている方、実際に墜落させてしまった方であればこうした心配は尽きないでしょう。
ということで今回は3度の愛機Phantom3墜落経験をもつぼくが、過去の墜落事例をもとに修理費用をまとめた結果を公開します。
備えあれば憂いなし、とまではいきませんが、知っているといないではいざというときの精神的ショック度合いが違います。ドローンの損傷状態にもよりますが、意外と安いと感じるかもしれません。
<注>
ぼくはタイに暮らしているので以下に記載する修理費用はタイの物価が基準になっています。修理はすべてDJIのサービスセンターで対応してもらっていますが、人件費等の違いから日本や他の国と比べると差が出る可能性があることをご承知おきください。(個人的にはDJIショップでの対応なのでそれほど国による差はないのではと感じています。)
まとめ
いきなりまとめです。
以下の表を見てください。いままで経験した墜落の詳細と修理の費用をまとめています。(ケース1から時系列に並べています。3が直近)
墜落ケース1
ドローン人生初の墜落でした。
Phantom3購入からだいたい3ヶ月くらいの頃だったので操縦にもそれほど慣れていない状態。
そんな状況が災いしてかの操縦ミスによる墜落です。
飛行中にドローンを自分の元へ戻そうとしていたときのこと。ちょうどドローンの正面と自分が向きある状態にあったので逆に操縦してしまい、近くにあった石柱に接触。そのまま地面に墜落という事故でした。
墜落したドローンに近づくとプロペラを支えるアームとボディが歪んでいるのがわかります。
墜落の後2、3日は食事も喉を通らないほどショックでしたね。何せ15万円ほどしたドローン(当時)を墜落させてしまったのです。墜落によってまた新しいドローンを買わないといけない、そしてまた10万円以上の出費、と愛着が涌いてきていたドローンの墜落による精神的ショックと金銭面でのショックがダブルでボディブローのように効いてきたのです。
今思い出してもぞっとします。
ところが修理に持っていくとボディの交換だけで済むという予想に反した回答。なんとボディの交換と外れたケーブルの再接続だけで修理が済んでしまったのです。
値段はなんと2,200バーツ(わずか6,600円)で済みました。
墜落ケース2
2回目の墜落はツイッターでも状況をシェアするようにしましたので、写真がツイートとともに残っています。
実際の損傷状況を見るのはこれが一番早いかと。(左が墜落直後)
見事なまでの損壊っぷりです。片脚はもげ、ジンバルは機体から外れてしまっています。
カメラのアップです。
初回の墜落時と違ったのがカメラがジンバルごと機体から外れてしまったという点。写真を見ていただければわかると思いますが、結構なダメージ受けていますよね。幸いレンズは無事ですが。
あともう一つ。写真ではわかりませんが、ジンバルの軸の一つ、カメラが左右に振れるところがスムーズに動かなくなっていました。間に砂でも入ったのかなと紙切れで隙間を掃除したりしたのですが、状況は変わらず。
カメラの交換を覚悟したときでした。(カメラの交換、すなわち高額な出費を意味します。)
意を決して修理センターに持ち込みます。
機体のダメージっぷりからスタッフの人も興味津々です。「お前どこでどうやって墜落させたんだ」と。
「ちょっと木の葉にひっかかっちゃって。。」
「直るかな?」
「カメラが心配だ。」
やはりスタッフもカメラが一番の心配のようでした。
「何とかなると思うよ。あそこにいるスタッフはちょうどDJIのトレーニングから戻って来たばかりだから。」
と何とも力強い言葉。
ここまで来たら考えていてもしょうがありません。
機体をスタッフに預け、修理センターを後にしました。
1週間後、修理が終わったとの連絡を受け修理センターへ。
ボディは新しいものに交換され、カメラもしっかりと元の場所に戻っています。
「結局カメラは大丈夫だったの?」
「大丈夫だった。ジンバルが損傷していて動きが滑らかでなかったからそこは直したけどね。」
(上で述べたスムーズに動かなかった所です。やはり損傷していました。)
「よかった。修理代はいくら?」
スタッフが出して来た修理明細を見て驚きました。
そこにはボディの交換とケーブルの交換とだけあり、合計2720THB(約8200円)。なんと1万円以下で直ってしまったのです!
最初にダメージの状況を見たときはカメラの交換含め2,3万円の出費は覚悟しましたから、これだけのダメージを受けても1万円以下で直るのかとただただ驚くばかりでした。
墜落ケース3
バードストライク。
航空業界ではたまに起きる、鳥と飛行機の接触。場合によっては墜落に至ることもある航空業界では恐れられている事故ですが、まさかこのバードストライクが自分のドローンに起きるとは夢にも思っていませんでした。
写真の通り、今回の墜落でもカメラがジンバルごと取れてしまっています。
そしてボディも今までの墜落同様に歪んでいます。
今回も2回目の墜落同様、カメラの交換を覚悟させられました。
すぐさま修理センターに持ち込み、スタッフが損傷状況のチェック。
そして修理のオーダーを作成してくれました。
そこに書かれていたのは、
・ボディの交換
・カメラ・ジンバルの交換
・ケーブルの交換
合計で18,600THB(約55,000)円でした。
とうとう交換せざるを得ないほどカメラがダメになってしまったとショックでした。
ですが、3回目の墜落で幸いだったのは保険に加入していたこと。修理費用全額保険でカバーされましたので自己負担はDeductible(自己負担分の意味)の3000バーツのみ(約1万円)。
カメラ交換がこれだけの出費で済むのであれば御の字です。保険に入っていて本当に良かったと実感した時でした。
(1回目2回目の時点ではそもそも保険のサービスが存在しなかったのですね。)
修理は1週間で完了。
その後Phantom3は元気に元の姿となってタイの空を飛んでいます。
さて、いかがでしたでしょうか。1回目2回目の墜落のケースでは、意外と少ない金額で修理できてしまうと驚かれた方も少なくないのではないでしょうか。
もちろん冒頭に書いたように人件費の関係から修理する国によって多少の差は発生するかもしれませんが、ボディなど交換パーツの値段はグローバルで統一されていますのでほぼ同じです。(輸入品のため税額分の差は出ると思われる。)
こうした修理のときの費用もあらかじめ知っておくと実際に墜落事故に直面したときに冷静に対処できることへつながると思い、シェアをしてみました。
もし日本や他の国での修理の経験がある人がいればコメント欄や問い合せフォームからお知らせいただけると参考になります。