1270億ドル。
ぱっと聞いてその金額の大きさをイメージできる人はほとんどいないでしょう。
日本円でおよそ12兆7000億。
日本円換算でももはやよくわからない領域の数字になっています。わかるのは兆だけ。。
この数字、2016年5月に世界的なコンサルティンググループであるPwCが発表した2020年におけるドローン市場の規模です。
(PwCはポーランドの首都ワルシャワにビジネスにおけるドローン技術の活用とデータ分析を行う40人規模の特別チームを設けています。)
Bloombergの記事によると現在のところドローンの商業利用マーケットの規模は20億ドル(およそ2000億円)と見積もられているようです。
これが2020年末に約60倍の1270億ドルに達するだろうというのがPwCの予測。
まとめると
・ドローン技術のコストは急激に下がっている。よってドローン応用に関してもコスト効率が良い。
・ドローン技術により3D地図作成並びにそれらがどう変化するかの観察が容易に行えるようになった。これによりインフラ関連のプロジェクトや保険請求の検証またはセキュリティといった分野での利用が期待される。
・輸送業界においては、山間部などの地域をはじめとするラストワンマイル (消費者が小売店で商品を購入し自宅に持って帰るという事業者と消費者を結ぶ最後の区間)問題をドローンが解決するだろう。
・映画製作、マーケティング、空撮分野でもドローンが大いに活躍する。
・ドローン使用に関する法令の不足がこれらの応用の障壁となりうる。
という点が主にハイライトされています。
添付が産業エリア別の市場規模予測です。
インフラ(Infrastructure)、農業(Agriculture)、輸送(Transport)といった産業での規模が大きいことがわかります。
以上がPwCが発表したレポートの概要なのですが。
参考までに
数字が天文学的数字で今ひとつ規模感が掴めないので比較してみました。
日本を例に取ると各産業の規模はどの程度なのか?PwCの言うドローン市場規模は一体どのくらいの大きさなのか?
(本当は全世界のデータとの比較をしたかったのですが今回見つからず。もし新たに情報を取ることができたらアップデートしたいと思います。)
市場規模をビジュアルで表現してくれる市場規模マップというサイトによると、日本のエリア別産業規模は下のようになります。
(各数値の出所は年度がばらついていたりするのですがあくまでイメージをつかむのが目的ですので、ここでは気にしないことにします。)
これによると、
・自動車62.5兆
・建設51.8兆
・医療40.8兆
・不動産39.4兆
・生命保険39兆
・外食25.2兆
・・・ときて、
・B to CのEコマースが13.8兆
・アパレル9.4兆
となっています。
ですから日本国内のインターネットショッピングやアパレル業界に匹敵する規模の業界が新たにドローンによって誕生するというわけです。
また企業規模とも比較してみます。
日本経済新聞による企業売上高ランキングによると自動車会社ホンダの売上高が14兆6000億、日産が12兆1800億となっていますから、だいたいこれらの企業と同じくらいの規模の市場が新たに誕生するとイメージできますね。
これだけの大きさの市場ができるということは同時にそれだけの雇用も生み出します。
インターネットが誕生して、それを利用したインターネットショッピングというビジネスが誕生したように、ドローンの誕生によりネットショッピングと同じくらいの規模であるドローン産業が発展する。
こういう見方をしてみるとドローンが持つ可能性の大きさ、経済へのインパクトを感じることができるのではないでしょうか。
ちょっと前までネットでショッピングするなんて誰も想像していなかったでしょうからね。これからも想像できないことがドローン業界で次々と生まれてくることでしょう。
<Source>
https://www.bloomberg.com/news/articles/2016-05-09/world-drone-market-seen-nearing-127-billion-in-2020-pwc-says
http://www.pwc.pl/clarityfromabove
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