外観を変えたなら次は素材を変えてみよう。
UAVやいわゆるドローンの世界ではマルチコプターと呼ばれる多プロペラ機が市場では一般的です。なかでもDJI Phantomシリーズのような4枚プロペラのクアッドコプターが主流であることはこのブログの読者の方であれば言うまでもないでしょう。
そんなドローンにも最近ではマルチコプター型ではなく、鳥型だったりX字の羽を持つモデルだったり、最近ではモノコプターと呼ばれる一枚プロペラ(モノはギリシャ語で”1″)のドローンも出てきています。
ですが今回紹介するドローンは外観は普通の鳥型ドローン。
違うのは、そう素材なのです。
市場に出回っている多くのドローンはプラスチックや合成樹脂でできていますが、今回のドローンはボール紙。あのちょっと硬い厚紙と呼ばれるタイプの紙です。
特徴を整理すると、
・モーターなし(つまり誰かもしくは飛んでいる物体から宙に投げてもらう必要あり)
・バッテリーもない
・片道切符ドローン(目的地に着いたらそこで終わり。ちょっと悲しいですが帰還はしません。)
・でも自然繊維でできている紙だからこそ時間が経てば土に還る
といったエコな性質を兼ね備えているドローンでもあります。
しかしながら同時に、小型コンピューターやセンサーは搭載されているので、
・あらかじめ設定された目的地へ自律飛行することが可能
・機体の羽の角度を調整することで飛行位置や着陸地点を調整することが可能
なのです。
加えて紙でできているので、持ち運びは折りたたみが可能。
組み立ては誰でも簡単にできます。
では一体どんな場面での活躍が期待されているかというと、人が入り込むのが困難な場所、例えばそこへ至る道が閉ざされている状態やひどく被害を受けている状況のエリアなど、に医療物資を供給する手段となりうるのです。
例えば地震や洪水などの自然災害により周辺地域から孤立してしまったエリアがあったとします。
近くには病院もないため、救援物資をいかに早く届けられるかは被害者の救助成功の可能性に大きく関わっています。
そんな時に上空から、例えばヘリコプターからこの紙ドローンに救援用医療物資を積載し、あらかじめ設定された目的地へ向けドローンを飛ばす。
事前に設定された目的地へ向かい、搭載されたセンサーで位置を微調整しながら着陸。救援物資が直接人の手を介さずに被害者の元へ渡される。ドローンは離陸地点へ戻ることなく、何年もの時を経て地面にかえっていく。
ドローンデリバリーといっても、活用方法はなにも商品配達だけに限ったことではない。
テクノロジーが生み出す未来の救助の姿です。
<Source>
http://www.recode.net/platform/amp/2017/1/31/14460734/watch-paper-airplane-drones-darpa-medicine
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