このニュース衝撃的でした。
カナダ政府は2017年3月17日、ホビー用途のドローン規制を強化することを発表したのです。
通常こうしたドローン規制の強化のニュースって商業利用のドローン飛行にまつわるものがほとんどなのですが、今回はホビー用途のドローン飛行規制強化なのです。
で、ぼくがこのニュースを最初に読んだ時になんでだろう? と思って読み進めたところ、あぁやはりこれか、思ったのがこれ。
そうなのです。
今回の規制強化の背景にあるのは、このブログでも何十回も取り上げている(意識的に取り上げているのですが。)、ドローンと航空機のニアミスの増加という事実なのです。
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そしてさらに驚いたことに、
ドローンと民間航空機のニアミスはカナダ国内だけでも3年間で3倍にも増えているとのこと。
ざっくりと、2014年はDJI Phantom2、2015年はPhantom3、そして2016年はPhantom4がリリースされた年と捉えると、Phantomがモデルチェンジをする度にドローンの一般社会における認知度を上げていき、ユーザ数が増えていったのと相関するのです。
前々からこのブログで、こうした航空機とのニアミス、空港近辺でのドローン目撃事件が頻発すると、ドローンを規制する動きはますます強まると主張してきましたが、残念なことに今回それが実現してしまうという事態に発展してしまいました。
気を取り直して、今回制定された規制の例を見てみると、
通常、ドローン飛行の制限高度は400フィート(約120メートル)に設定されている国が多いのですが、これが90メートルに引き下げられました。
ぼくが目にしたカナダメディアの記事には”どこで”という記述はなかったためおそらくカナダ全土で適用されるのでしょう。
そしてもう一つ目を疑ったのが、これ。
ほんとなんですかね?
自分とドローンの距離は常に500メートル以内に保ちなさいと読み取れます。
たったの500メートルですよ!!
こちらがその新しい規制を紹介したカナダ交通局(Transport Canada)のツイートなのですが、
確かにルールが箇条書きしてある部分の右下に,
“Do not fly your drone: IF YOU ARE NOT WITHIN 500m OF YOUR DRONE(ドローンの操縦者とドローンとの距離が500メートル以内でないときは飛行してはならない)”
とあります。
どうなんでしょう、これ。
そして、
と非常に厳しい処罰。
厳しすぎる気がします。
実際このカナダ交通局の発表した規制のツイートには多くの批判的なコメントが寄せられています。
いくつか見てみましょう。
中にはあからさまに従わない意思表明をするものや、この決定に対する攻撃的なメッセージがみられます。
いくらこういう批判的なコメントが集まったからといって政府が下した決断ですから、覆ることはないと思いますが、やはり厳しすぎるという感は否めません。
個人的にさらに気になるのが、このカナダの動きを受けて他国が似たような規制強化の動きに出ないかどうかということ。
日々盛り上がりを見せるドローン業界の将来に蓋をするような流れにならないことを祈るばかりです。
<Reference>
http://www.tc.gc.ca/eng/civilaviation/opssvs/flying-drone-safely-legally.html