調べ物をしている最中に偶然興味深い動画を見つけたのでシェアしたいと思います。
中米ニカラグアの税関でドローンを取り上げられた旅行者のエピソードです。
<動画: 税関でドローンDJI Mavic Proを取り上げられた話 (英語、字幕あり) 2017年5月8日>
男の身に起こったこと
動画が将来削除されてしまうことを考えて、以下に何が起こったのかをサマリーで記載します。
<サマリー>
・男は旅行でニカラグアを訪問。ニカラグアがドローン禁止であるということを知らずにDJI Mavicを持ち込もうとした。
・税関到着後に係員が男のバッグをスキャン。ドローンを発見し、取り上げられる。係員はニカラグアはドローン禁止のため税関でドローンを預かっておく旨男性に伝え、保管費用を記載したチケットを男性に渡す。ニカラグア出国の際に保管費用を払えばドローンを返す旨が伝えられる。
・出国の日、男は空港に向かい、入国時に取り上げられたドローンが保管されている部屋を探す。
・保管庫で男は他にも大量のドローンが”ドローン”というラベル付きで保管庫に保管されていることを目にし、多くの人がニカラグアにドローンを持ち込もうとしていることを知る。
・男は以前他の中米諸国でドローンを飛ばしたことがあったが特に問題はなかった。今回は事前に現地の規制のリサーチを行わなかったため、入国時に初めてニカラグアではドローンが禁止されているということを知った。実際にニカラグア政府はドローンを包括的に禁止している。航空当局の最高責任者から許可がある場合は別だが、これは映画会社が映画撮影を行う場合などの特別な事情に限るので一般人に対してまず許可は出ないだろうと語っている。
・男はドローン返却の手続きにはある程度の時間がかかることを予想して、数時間の余裕を持って空港へ到着。案の定保管庫では待たされることに。
・男の順番が回ってきたものの係員は英語が通じず、困ったことに。同じく持ち込み禁止物を取り上げられた別のコスタリカから来た人物に英語通訳してもらうが、係員は保管費用を支払っても男にドローンを返すことはできないと伝える。(ここが入国時の話と違うところ)
・それでは困ると男はなんとか通訳の男性を介してドローンを返却してもらうよう説得。これでいくばくかのやりとりが続くが、係員が今度はドローンの値段を聞いてくる。
・本当の価格をいうと、余計に多くの費用を請求されることを懸念した男。ここでRachel(おそらく彼の恋人)が40ドルと伝えたところ係員は21ドルの金額を要求。倉庫の保管費用と輸入税だと言う。入国時には誰も輸入税があるとは言っていなかったにも関わらずだ。
・支払いに際してクレジットは受け付けず現金のみ。このことから男はおそらくこのお金は誰かのポケットに入るのだろうと推測している。
・男は他の事例を調査した結果、他の国においても、ドローンの持ち込みのルールに加えこうした輸入税を課す国があることを知る。持ち込みには当局からの許可が必要であると言及している場合もあるが、それは税関職員がなんらかの税を支払うよう請求して来ないとは意味しないと男は語る。
・男はエクアドル人がニカラグアにドローンを持ち込んだ時には価格の95%の税を要求された話を紹介。また男の友人がメキシコにドローンを持って行った時には150ドルをドローンのために支払ったエピソードを紹介。
・男はドローンの持ち込みに際して支払う金額は国によって異なり、またたとえ持ち込みが可能な国であっても税関には気をつけろと警鐘を鳴らしている。
・特に中米諸国に行く時には、税関職員はやりたい放題、ポケットマネーを得るために何を要求してくるかわからないので注意するよう促している。
とにかく上記エピソードからニカラグアは国内へのドローン持ち込み禁止(=一般人の国内でのドローン飛行禁止)ということですね。
類似の事例は他にも
海外のドローンコミュニティサイトPhantom Pilotsのサイトを見ても、過去に同じようにニカラグアの税関でドローンを取り上げられたというエピソードが載っています。


< 参考> Phantom Pilot
http://www.phantompilots.com/threads/my-drone-confiscated-at-nicaragua-customs-wtf.26569/
いかがでしたでしょうか。
いつもの海外ドローン規制シリーズとは異なり、今回は実際の経験談の紹介でした。
ニッチなエリアですが、同じようにニカラグアにドローンを持って行こうとする人、ニカラグアでドローンビジネスを考えている人の参考になればと思います。
いずれにしてもニカラグア国内へのドローン持ち込みは禁止なので、空港で無駄な費用を払うことのないよう気をつけましょう。