【海外ドローン規制】アメリカ 空港近くでのドローン飛行許可を管制官に確認した男のエピソード紹介

不定期連載でお届けしている海外ドローン規制シリーズ。

今回はアメリカのドローン事情にまつわるエピソードをご紹介しましょう。

世界の他のどの国の例にも違わず、アメリカ国内においても、空港周辺でのドローン飛行は規制されています。特別な許可を得ない限り原則はドローン飛行はできない訳です。

これは言うまでもないですね。

 

空港にドローン飛行の許可を訪ねた男

ここにアメリカはフロリダ州に住む一人のアメリカ人男性がいます。

彼はベイフロントパークという公園でドローンを飛ばしたかったのですが、地図でその公園の場所を確認したところ、近くにはサラソタ空港があることを確認。

公園と空港の距離は5マイル以内(およそ8Km)となっており、FAA(米連邦航空局)の定めるドローン規制エリアに該当しています。

位置関係は下記のようなイメージです。

 

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Screen Shot 2017-05-28 at 16.15.47.png

 

そこで男は空港に電話をします。ドローンを飛ばして大丈夫か確認をしようというのです。

以下にその会話の概要をまとめてみましょう。

 


男: すみません、今日ドローンを飛ばそうと思っている場所がそちらの空港から5マイル以内にあるのでお知らせしたいのですけど。

サラソタ空港職員: 了解しました。高度はどれくらいですか?

男: 300フィート(90メートル)以下です。

空港職員:わかりました。管制塔の番号をご連絡しますので、そちらに連絡をお願いします。

そちらの現在地の住所を教えていただけますか?

男は住所を空港担当者に連絡し、管制塔に電話。

男: すみません、今日ドローンを飛ばそうと思っている場所がそちらの空港から5マイル以内にあるのでお知らせしたいのですけど。

管制塔担当者:申し訳ありませんが、空港から5マイル以上離れたところでないといけないのですが。ドローンの機体の登録であったり、関連する必要なプロセスは終了していますか?

男: はい、機体の登録番号をお伝えします。

管制塔担当者:どのあたりで飛行を行う予定ですか?

男: Ringling橋のすぐあとにあるベイフロント公園です。

管制塔担当者:飛行高度はどれくらいですか?

男: 200フィートか150フィート(60メートルか45メートル)以下になると思います。

管制塔担当者:空港からどれくらい離れた場所ですか?

男: ベイフロント公園です。
(携帯電話で地図を確認しながら)空港の中心からちょうど4.8マイルの場所です。

管制塔担当者:Ringling橋から4.8マイル、高度は150フィートですね。

管制官(注:おそらく)に確認しますのでお待ちください。(訳注:このタイミングで少し誤解が生じている。)

別の管制塔担当者:ドローンを飛ばすとお聞きしましたが。

男:はい。

別の管制塔担当者:再度確認したいですが、飛行場所はRingling橋から4.8マイル、高度は150フィートですね。

男:いや、空港の南側中心地から4.8マイルです。Ringling橋から0.5マイルの場所です。高度は150フィートです。

別の管制塔担当者:150フィートですね。それであれば全く問題はありません。
何時に飛行しますか?

男: 今から15分後の13:00です。

別の管制塔担当者:今から15分後ですね。飛行時間はどれくらいですか?

男:10分です。

別の管制塔担当者:10分ですね。全く問題ありません。

連絡を頂きましてありがとうございます。何の問題もないことを祈っております。

男:ありがとうございます。


 

この後晴れてこの男性はベイフロント公園で実際にドローン飛行を実施することができました。下記がその映像です。

Screen Shot 2017-05-28 at 11.11.54.png
Calling the airport to fly a droneより

 

 

なぜこんなことが可能なのか?

さて、一般にドローン飛行が規制されている空港周辺ですが、なぜこの男性のようなケースが可能なのでしょうか?

FAAの規制の詳細を確認すると意外な事実がわかります。

冒頭に述べたように、FAAの定める規制では空港から5マイル以内は飛行禁止となっています。

しかし、レクリエーション目的(ホビー目的)での飛行に限って言えば、事前に空港ならびに管制塔に連絡をすることで、飛行することが可能です。

実際にFAAのガイドラインを確認してみましょう。

Airports(空港周辺について)

Recreational operators are required to give notice for flights within five miles of an airport to both the airport operator and air traffic control tower, if the airport has a tower. However, recreational operations are not permitted in Class B airspace around most major airports without specific air traffic permission and coordination.

(著者訳)
レクリエーション目的でのドローン飛行について、ドローン操縦者は空港と管制塔(ある場合)の両方に対して、空港から5マイル以内の場所での飛行を行う旨、通達を行う必要がある。
しかしながら、レクリエーション目的での飛行は、特別な許可と当局との調整なしには、ほとんどの空港の周辺であるクラスBの空域では認められていない。

(出展)
https://www.faa.gov/uas/where_to_fly/airspace_restrictions/

正直驚きでしたが、ここに記載されているように、レクリエーション目的に限って言えば、事前に空港と管制塔に具体的な飛行に関する情報を連絡すれば、飛行することは可能となっています。

FAAや各国の航空当局がなぜ空港から一定マイル(km)以内は飛行禁止としているかと言うと、それだけのリスクがあるからであって、個人的にはそこまでして(仕事でも何でもないのに)、飛ばす必要があるかと疑問が残るところです。

ここに登場する男性のように、自身が空撮を行い場所が仮に空港からの規制範囲以内にある場合に、どうやって空港とコンタクトを取り、何を伝えるべきかということの一つの事例紹介にはなるかと思い紹介をしました。(あくまで米国の事例です。

実際の会話のやりとりを確認したい方は下記の動画からご確認ください。

 

(Reference)
https://www.faa.gov/uas/getting_started/fly_for_fun/

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