AI(人工知能)が本格的にドローン業界にも進出してきたことを示す一例です。
オーストラリアでサメ探知機を搭載したドローンが来月から国内のいくつかのビーチのパトロールで使用されるという記事がロイターから出ています。
仕組み
このサメ検知ドローン、一体どういう仕組みなのでしょうか?
まずは通常のドローンオペレーションと同様にバッテリーを搭載したドローンが海上へと飛び立ちます。
そして海上から撮影した映像をリアルタイムで操縦者の元へ送信。
操縦者は送られてきた映像をサメ探知ソフトウェアを使用して映像を分析するという流れ。
このサメ探知ソフト、人間の目よりはるかに正確にサメを認識できるのです。
University of Technology Sydney’sのNabin Sharma博士によれば、人間の目では20%から30%の精度でしかサメを認識することができないところ、このソフトウェアを使うことにより認識率を90%にまで高められるというのです。
AIが活躍する領域
そして精度を高めるために用いられるのが、パブリックに公開されている数々のサメの映像。
これらをシステムに学ばせることによって、サメを認識するアルゴリズムやイルカやクジラといった他の類似海洋生物やサーファーやボートといったモノとの見極めを可能とするのです。
Sharma博士は、このソフトウェアは人間とって変わるものではなく、あくまでも人間をアシストしてより精度の高い結果を以って協働するためのものだ、とコメントしています。
大量のデータをインプットとして与えることによって、類似点やパターンを見いだすことができるというのはまさにAIの成せる技。
実はオーストラリアはサメと人間の自然遭遇がアメリカについてもっとも多い国だとか。
こうした予期せぬ事態に対して、過去のデータを有効に活用することで、将来の予測、予防が可能になる。
今回紹介されているのはサメの検知の事例ですが、同じように過去の映像を学習することによって将来を予測するというのは色々な分野で実現が期待できそうです。
例えば人間の行動映像を元に不審者を事前に検知する仕組みや、空から撮影した農場の映像を元に農作物の発育状況を予測、対策を立てるなんてこともできそうです。
AIが本格的にドローン業界に使われ始める時代がいよいよ間近に到来しているのかもしれません。
<Source>
http://mobile.reuters.com/article/amp/idUSKCN1B51KB
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