ドローンと航空機のニアミスであったり、空港近辺でのドローン目撃事件が世界中で頻発している状況ですが、アメリカニューヨークでとうとう実際の空中衝突事故が発生してしまいました。
事件が発生したのは2017年9月21日、ニューヨーク市スタテン島の沿岸にて、ある男が操縦していたDJI Phantom4が高度約500フィート(約150メートル)を飛行していた米国軍のBlack Hawkヘリ(UH-60型)と空中衝突。
幸いにもヘリはそのまま飛行を続けてニュージャージー州リンデン空港へ緊急着陸。怪我人等は発生しませんでした。

その後の調査でヘリの主翼と窓枠、トランスミッションデッキへの損傷が認められました。(下記の模式図を参照)

ところで衝突した物体がなぜPhantom4とわかったのでしょうか?
実は調査員会は衝突の後にヘリコプターに付着していた破片からドローンの部品を復元。(下記写真)Phantom4と特定したようです。

調査委員会はさらにドローンを操縦していた人物も特定。この人物が操縦していた時のフライトログも調査に提供されているとのことです。
調査は現在も引き続き行われており、Phantom4の製造元であるDJIもFAA(米国連邦航空局)、米国軍、National Transportation Safety Boardの調査チームに加わり調査に協力を行なっています。
ドローンとヘリの衝突と言えば以前英BBCが作成した想定事件映像が有名(下記関連記事参照)ですが、上記のように部品まで再現されてしまったということは、Phantom4が実際に衝突したというのは最終報告書を待たずとも確定の事実でしょう。
大変残念です。
<関連記事>
英BBC作成のドローンとヘリコプターの衝突事故映像が怖すぎる
<Source>
https://www.digitaltrends.com/cool-tech/drone-helicopter-new-york-collision/
https://www.aopa.org/news-and-media/all-news/2017/october/05/drone-pilot-provides-data-from-black-hawk-midair