【海外ドローン規制】タイに新しいドローン登録制度が導入開始

タイのドローン規制に新たな登録制度が導入されました。

 

ここ最近、全世界でドローン規制強化の動きが強まっているとは感じていたのですが、まさか自分が住むこの国にまで波及するとは・・・残念です。

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新登録制度の概要

タイ国内の放送通信事業を管轄する組織であるNBTC(National Broadcasting and Telecommunications Commissions)は10月11日、タイ国内の全てのドローン所有者の所有するドローンをNBTCに登録させる規制を発表しました。

当規制は2017年10月11日(水)から適用開始となり、タイ国内のドローン所有者はこの日から90日以内に所有するドローンの同組織への登録が必須となります。違反者には最長5年間の禁固刑と10万バーツ(およそ30万円)の罰金が課されます。

タイ国内のドローンは、今までタイ交通省(Ministry of Thailand)により規制がなされてきました。しかしながらドローンは電波を使用して飛行することから、タイ国内の通信事業管轄組織であるNBTCも今回規制に乗り出したものと伝えられています。

Bangkok Postの記事によれば、タイ国内で所有される50,000のドローンのうちたったの350機しか登録(後述しますが、この数はCAAT(タイ民間航空当局)からのライセンス取得をしたドローンの数と推測されます)されていないとのこと。NBTC のTakorn Tantasith氏は”由々しき事態”とのコメントを発表しています。

 

個人的な意見としては350機しか登録されていないというのが正しい情報なのであれば、それは登録制度を整備した行政側にも問題があると考えています。数ヶ月もかかる現状のCAATライセンス発行制度はプロセスに必ず問題がありますし、店舗でドローンを購入するときに登録手続きを強制させるという手段だって取り得るはずです。まだまだこのあたりは改善の余地はあると見ています。

とにかく、タイ国内のドローン所有者はNBTCへの登録が必須となったことにより一つ手間が増えたことは事実です。またこの登録はタイを訪問する旅行客にも適用されます。つまりタイでドローンを飛ばしたいと考えている観光客もタイへの入国ののちにこの登録を完了させる必要があります。

なお、ぼくが懇意にしているタイ人のドローンパイロットに、すでにCAATのライセンスを取得している人もNBTCへの登録が必要なのかと聞いたところ、不要とのことでした。

IMG_20171015_112804.png

ただし、何かの勘違いで罰せられるのもリスクなので、一旦はNBTCオフィスへ登録をしに行き、再登録の必要性について職員に直接確認したいと思います。

 

注: 次の見出しにも関連しますが、以前からタイではドローンを飛行するためにCAATからのライセンス取得が必要となっており、このライセンス取得の中で自身のドローンを登録する必要があります。この登録と今回発表されたNBTCへのドローン登録を明確に切り分けて論じるために、当ブログでは今回の登録制度を新登録制度と呼称することにします。

 

ライセンスは別途必要

さて、前項にも記載の通りNBTCへのドローン登録が必要となったわけですが、この登録を完了させればドローンを飛ばすことができるという訳ではないところに注意が必要です。

タイ在住のジャーナリストRichard Barrowさんも言っていますが、この新しい登録制度とCAAT(タイ民間航空当局Civil Aviation Authority of Thailand)のライセンス取得のためのドローン登録は別物です。

繰り返しますが、タイではドローンを飛行させるためにはCAATからのライセンスが必要です。

よってNBTCへの登録とは別に別途CAATのライセンス申請が必要な点は以前と変わりありません。

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CAATへの登録時にも機体の種類やシリアル番号といった諸々の情報は一通り届け出る必要があるので、何なら登録窓口と手続きを一本化してくれればいいのにというのが正直な感想ですが、その点は今後改善されることを願うしかありません。

 

登録はNBTCのオフィスにて

今回の新登録制度、登録はCAATのオフィス、NBTCのオフィス、全国の警察署にてできるようです。

登録方法詳細は以下の記事に別途まとめていますのでそちらを参照ください。

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いかがでしたでしょうか。

今回導入されることになった新しいドローン登録制度。ぼく個人の目から見ても既存の規制・ライセンス制度を考慮した効率的な制度・プロセスとはお世辞にもいうことができません

SNS上では地元タイ人からも、”トイドローンをわざわざ届けさせることに意味があるのか”  “なぜ販売店で登録手続きができるようにしないのか”といった批判的なコメントも目立っています。

まだ始まったばかりの新登録制度。しばらくの間は混乱も予想され、また手続き面での変更も十分予想されます。

まずは自身のドローンを登録するとともに、状況をモニタリングし続けたいと思います。

 

<Source>
https://www.bangkokpost.com/news/general/1340895/drone-users-face-fines-jail-terms

 

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