今回はドローンの商業的観点からのお話として、撮影したドローン空撮映像をいかにして高値で販売するかということについて意見を綴りたいと思います。
ぼくは以前タイで自分が撮影したドローン映像が、遠くイタリアに住む全く知らないイタリア人から、”この空撮映像を売ってくれ”と動画のタイトル名指しで依頼を受けたことがあります。そのときは正直なんでこんなのを欲しがるんだ? という感じでしたが、今回の記事を書くにあたり情報を整理している中で、なるほど! と思う点がありました。(このエピソードについては以下で詳述します。)
なお、この記事は海外のドローンメディアWetalkuavの記事”5tips to Sell Your Drone Footage(ドローン映像を販売するための5つのコツ)にインスパイアされ、5つのコツにぼくの個人的な視点を加え7つのコツとしたものです。
Wetalkuavのオリジナルの動画を見たい方は記事最後にリンクを載せていますのでそちらを参照ください。
それでは早速一つ一つ見ていきましょう。
1. 唯一無二であること
あなたにしか撮れない独自の視点、被写体を検討しましょう。それがあなたの知らない顧客の感情を強烈に揺さぶり、購入依頼へと繋がるのです。
壮大な山々、美しいビーチ、緑溢れる田園風景などドローン空撮が映える景色はこの世界に数多く存在しますが、多くのドローン映像がすでに溢れているのも事実。ビーチの空撮なんて文字通り溢れるほどネットに転がっています。
そうではなくて、他の誰もが思いつかないような対象を、ドローンで、独自の視点で撮影したところにあなたの付加価値があるのです。
ちなみに冒頭で紹介したイタリア人のエピソード。
ぼくが撮影したのはタイの代名詞といってもよいSoi(ソイ)と呼ばれる小道。それを単純にドローンで撮影しただけなのですが、当時ソイをドローンで撮影してネットに公開していた人は誰もいなかったのも事実。それがはるか彼方のイタリアにすむミュージシャンの目に止まり、ミュージックビデオにSoiのドローン映像を使いたいから販売してくれと依頼があったのです。
音楽のジャンルはロック。
タイの小道ソイとイタリアのミュージシャンの奏でるロックミュージックがドローン空撮映像で融合する、なんとも不思議なエピソードですが、ぼくの撮影したSoiの空撮映像の世界観が彼の音楽の世界観にマッチしていたのでしょう。
今となっては規制の影響で同じ撮影は非常に難しくなってしまいましたが、唯一無二であるということは予期もしない機会をもたらすことを学びました。
2. コンセプトを定めること
山、海、滝、平原、ビルなどとなんでもいいのですが、それら被写体のどんな点を撮りたいのか、伝えたいのかを意識しましょう。
ただドローンを打ち上げて、カメラをオンにしながらフラフラとあてもなく飛行させて、あっちを撮影し、こっちにもなんかいいのがあるぞとドローンをターンさせて、あてもなく撮影する、なんてことをしていませんか?
こうして撮影されたドローン映像は見るものを困惑させますし、見た後に印象に残りません。
例えば滝を撮影するのであれば、水が落ちる力強さを撮影のコンセプトとして、水が落ちる様を至近距離からドローンを上昇させて撮影するとか、滝壺の水面近くからゆっくりと上昇させて水しぶきの力強さを撮影するとかそういったテーマを設定するのが大切です。
そうして設定されたテーマはあなた独自の視点となり、1と同じように唯一無二の価値へとあなたの映像を引き上げてくれることに繋がります。
3. 適切なタイトルをつけること
撮影・編集が終わり、インターネット上へ公開する時には検索されやすいような適切なタイトルをつけることが重要です。
単に”タイ旅行”と名付けられた映像の中に、ドローンで撮影された映像が入っていてもそれが検索により見知らぬ人の目に止まることはないでしょう。
タイ旅行で撮影したドローン映像を見てもらいたいのであれば、タイ チェンマイのドローン空撮! といったように一目見てわかる、かつ検索されやすいタイトルをつけるよう心がけてください。
関連するワードを動画の説明に散りばめることはもちろんのこと、タグ付けすることも必須です。
非常に基本的なことですが、意外とやっていない人が多いのには驚かされます。
これなしに全くあなたのことを知らない人があなたの作品を見つけることは不可能です。
4. 高解像度で撮影すること
撮影はできるだけ高解像度で行いましょう。4Kが撮影できるドローンであれば4Kがベストです。
また撮影時にはできるだけフラットな映像、つまりむやみにコントラストをつけたり、色味を強調したりといった映像ではなく、そのまま撮って出しするとちょっとプレーンすぎるというぐらいの薄い映像がベターです。これは購入側の映像編集の自由度をあげるという点に寄与します。映像を買う側は購入後になんらかの加工をしてそれをテレビCMや商品プロモーション映像に使用したりするので、できるだけ加工しやすい映像の方が好まれるのです。ホワイトバランスもマニュアルホワイトバランスで撮影することで撮影中の光量変化による映像のムラを避けるのが良いでしょう。
5. 販売価格を設定しておくこと
あなたの空撮作品を売ってくれ、と言われた時にすぐさま回答できるように、いくらなら売ってもいいかという販売価格を事前に設定しておきましょう。
素早く価格の回答ができるというのはプロとしてのアピールにも繋がりますし、買う側の心理としては複数の似たような映像に見積もりを出していることもありえますので、早いレスポンスを返せるというのはそれだけでプラス要素になるのです。
そして、実際の販売時には4Kいくら、HDだといくらといった形で価格を設定し、相手が求める解像度と価格に答えられるようにオプションとして用意しておくのです。4の高解像度で撮影するというのはここでも役に立つのです。
6. 時間がかかるということを理解すること
販売が成立するまでは時間がかかるということを念頭に置いておきましょう。
実際にあなたが動画を撮影し、編集し、インターネット上へアップロードしてもすぐには誰からのコンタクトがないのが通常です。
それは半年後かも1年後かもしれませんし、もしかすると5年たっても何もないかもしれません。
また、あなたの映像を購入したいと問い合わせがあったとしても、メールでやり取りをしたり書類を準備したりと実際の販売までには長い時間がかかるということを理解しておきましょう。
7. 英語で発信すること
インターネット上へのアップロード時、ソーシャルメディアでの拡散時には日本語のみならず英語でも発信するようにしましょう。
ものすごいざっくり言ってしまうと日本語という言語は日本に住んでいるおよそ1億2千万人の人にしか使われていません。対して国際言語である英語は世界中で15億もの話者がいるとされています。(下記グラフ参照)

世界の人口をおよそ73億として、英語で発信すれば世界の5分の1の人口にアクセスできることを意味するのです。
例えばインターネットにアップする動画のタイトルを日本語、英語併記にするだけでも英語スピーカーの目に止まる確率はグンと上がります。
英語で情報発信ができるコミュニケーションが取れるというのは、個人として生きていく上で非常にアドバンテージとなるのです。
以上7つのポイントをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
実際に自分が撮影した動画を販売して見たいという方はぜひ上記の点を取り入れて見てください。
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