ドローンと空港・滑走路というとなんだか相性悪そうですが、必ずしもそんなことはないのです。
離陸を前に滑走路を行き交う様々な航空会社の航空機。
轟音を立てながら1機1機と離陸し、最後に滑走路に降り立ったのは、航空機ではなくドローン。
滑走路に何でドローンが? 空港ってドローン飛ばしちゃいけないんでしょ?
普段このブログを読んでいる方はそう思うことでしょう。
でもドローンが空港で使用されるケースもあるのです。
本日はアメリカのアトランタ州の空港でドローンを活用している事例をご紹介します。
滑走路のメンテナンスにドローンを活用
冒頭のエピソードが見られるのは、アメリカアトランタ州にあハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港。
全ての航空機が滑走路から消えた後にドローンを打ち上げ、滑走路上空をホバリングさせます。
しばらくホバリングさせた後、ドローンパイロットがドローンを滑走路に沿って前後に飛行させます。撮影した滑走路の空撮映像は3Dモデリングツールに取り込まれ、3次元の滑走路が再現されます。
3Dモデリングツールでは滑走路上のひびや割れ目といった損傷も表現できるため、これらの映像を元に滑走路の修復が必要な箇所を特定することにドローンが一役買っているのです。

アメリカの連邦規制では現在、FAAアメリカ連邦航空局の許可を得た場合に限って空港周辺、もしくは敷地内でのドローン飛行が認められています。
ドローン活用の利点
これまで滑走路の点検はメンテナンス担当員が足で滑走路上を歩いて点検するというものでした。アトランタ空港の場合、点検に要する時間はおよそ5時間。言うまでもなくこの間滑走路は閉鎖する必要があるため、離着陸のオペレーションも停止されます。
一方、ドローン活用によって同じメンテナンス作業を半分の時間で済ますことができます。またコストの観点でも今まで点検を行なっていた複数のスタッフが、ドローンパイロットとドローン飛行監視担当者のみになるわけですから、その分人員を減らすことにつながったり、空いた人員を他の業務へ回したりといったローテーションが可能になるのです。
メンテナンス中はフライトが途絶えることによる乗客への影響もこれまでの時間の半分になり、のみならず、空港の収益性にも好影響の材料となることが考えられます。
2017年3月時点で、アメリカでは連邦航空局FAAがすでに500もの空港近辺でのドローンオペレーションを許可。
滑走路のメンテナンスは安全な航空飛行に欠かすことのできない活動です。
昨今頻発している空港近辺でのドローン目撃により、ドローンに対してネガティブな味方をしている方々にとっても、ドローンが空港メンテナンス活動に活用されることにより、安全な飛行に貢献することができるとなれば、イメージ改善にも繋がることでしょう。
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