幅広い分野で活用されているドローンですが、一つだけ開かずの扉のごとくドローンを拒んでいる業界があります。
それがスポーツ。
野球、サッカー、アメフトなど世界中で数多くのプロスポーツリーグが存在しますが、その一つとてドローンを活用して試合を中継しているところはありません。少なくともぼくが知る限り。
過去にはプロ野球の試合中やアメフトの試合中にドローンが紛れ込んできたために試合が中断になったりというニュースもアメリカではありました。
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ちなみになぜドローンが禁止されているか理由をご存知でしょうか?
答えは選手の気が散ることで勝敗に影響が出るから
です。
プロスポーツともなればチームを所有しているのは企業だったり、投資家だったりするわけですが、その背後にはさらにチームを支援するスポンサーが付いており、一つ一つのゲームの勝敗がそのままチームの存続にも影響を及ぼします。
試合の中継をしているテレビ局にもそれぞれスポンサーが付いており、勝負の勝ち負けはテレビ局の収支や将来のスポンサー契約にも影響します。
たとえそういった商業的な理由がなかったとしても、上空で音を立てながらドローンが飛行していては選手も気になるのも事実。ちょっと上をよそ見している間にボールを取られ、そのまま敵にゴールを決められてしまう。
なんてことがあればドローンが批判の的となるのは言うまでもないでしょう。
こうした事情を嫌ってプロ・アマチュアスポーツの世界ではドローンによる撮影を拒むのが通常です。
日本に住むドローン業界にいるぼくの知人が、ある時Jリーグの試合をドローンで空撮すると言う企画を日本サッカー協会(JFA)に持ち込んだところ、上記の理由で一蹴されたと聞きます。
事例はあるのか?
上空を飛行するドローンの影響で選手の集中力がそらされ、試合に影響が出る
といった点を懸念してのことだったそうです。
その後その知人は、海外だったら行けるかもしれない(この辺りの機転が素晴らしいですね)と、タイのプロサッカーリーグにコンタクト。
めでたくタイプロサッカーリーグとJリーグの国際マッチをドローンで撮影するという企画が実現したのです。
もちろんタイのプロサッカーリーグもそんなに甘いことはなく、空撮するのは良いが競技フィールドの中には絶対に入らないこと、競技フィールドの4辺のうち、特定の1辺か3辺(うろ覚えです。)からのみ撮影可能、少しでも競技フィールドに近づくようであれば警備担当から止められると言うかなり厳しい制限の付いた撮影だったようです。
ぼくも実際にその映像を見せてもらいましたが、今までにない角度から見るサッカーの試合、特にライン際での迫合いや、ゴールネットの後方上空からとらえた映像ははスポーツの新しいダイナミックさを教えてくれました。(ここで映像を紹介できないのが本当に残念です。)
と、本来ならここで記事を終えるところなのですが、今回偶然にサッカーの試合をドローンで撮影した映像を見つけることができましたのでシェアしたいと思います。
舞台となったのはカンボジアのサッカーチームと東ティモールのチームの試合です(おそらくナショナルチームと思われますが確証なしです)。
試合前の様子。
上空から見るとスポットライトに照らされた芝生が青々と輝いて非常に美しいですね。
カンボジアの街中に浮かぶ競技場
こうしたライン際のせめぎ合いを選手のポジション取りと合わせて俯瞰できるのがドローンの魅力です。(あそこにパス出せばいいじゃん!なんて野次馬をしてしまいそうですね。)
それでは上空から眺めるサッカーをとくとご覧ください!
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