【海外ドローン規制】タイ NBTC登録制度の目的

昨年2017年後半に始まったタイにおけるNBTC(National Broadcasting and Telecommunications Commission)に対するドローンの登録制度。

もともと存在していたCAAT(Civil Aviation Authority of Thailand:タイにおける民間航空当局)のライセンス制度に新しく加わる形で登場したので、困惑される方が多いのも事実ですが、本日はこのNBTCの登録制度の目的について私見たっぷりにお伝えしたいと思います。

そもそもタイのNBTC登録制度ってなに?という方はまずは以下の記事をご覧ください。

<関連記事>
タイのドローン規制 CAATライセンスとNBTC登録の違い

さて、タイに存在する二つの登録制度CAATとNBTCですが、両者の違いは車で例えると自動車運転免許(CAAT)と自動車の陸運局への登録(NBTC)です。

CAATのライセンス制度はタイで2015年に開始され、これ以降タイでドローンを飛ばすにはこのライセンスの取得が必須となりました。ドローンの所有者の情報(氏名、住所、パスポートや個人ID、ドローンの機体の種類、シリアル番号など)をライセンス申請書類とともにCAATへ届け出る必要が発生したのです。

そして2017年の後半に、タイ政府はすべてのドローンはNBTCへ登録を行わなければならないという新たな登録制度を発令。上記CAATのライセンスとほぼ同じ情報をNBTCへも届け出る必要が生じたのです。(このあたりの詳細は上記関連記事を参照。)

では、なぜ突然NBTCへの登録制度が開始されたのか、すでにCAATのライセンス制度があるのにどうして同じような情報をNBTCへの登録しなければならなったのでしょうか。二つの登録制度が混在することで混乱する方が多いのは事実ですが、私見をお伝えしたいと思います。

一言で言ってしまうと、NBTCへの登録はタイに存在するドローン情報を政府に集めるためのチャネル拡大です。

世界各国でドローンがテロ活動に使用される事件や、航空機とのニアミス、空港近辺で目撃されることによって航空管制に支障が出るといった空の安全を脅かす事件が増加しつつある昨今、タイ政府としては自国にいったいどれくらいのドローンがあって、それらを所有しているのはだれなのかをできるだけ把握しておきたいのです。

実はタイのCAATライセンス制度というのはそのスピードの遅さが有名でして、発効までに3,4か月もしくはそれ以上かかることが普通です。

このため、タイでドローンを所有していても面倒だからライセンスは取得しないという人の数はそこそこの数に上るとぼくは見ています。

このCAATのスピードの遅さや、政府組織間の連携の悪さ(CAATのライセンス申請情報は航空当局だけでなく、入国当局や警察などの関連組織にも回覧されるので、わざわざNBTCなどの別の窓口から再度ドローン情報を登録させるのはナンセンス)が起因となってNBTCへの登録制度が開始されたと推測しています。

CAATのライセンス制度だけでは集まる情報も集まらない。

ここはひとつ周波数というドローンにかかわるもう一つの切り口を活用してNBTCと警察署(NBTCへの登録は各警察署でも可能)のネットワークを使ってできるだけ早くタイのドローン情報をかき集めようというのが真の背景ではないかと読んでいます。

 

NBTCの制度は結構混乱される方が多いので、上の推察が少しでもお役に立てればと思います。

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