【海外ドローン規制】ビルマの竪琴ミャンマー

旧首都ヤンゴン、仏教遺跡群バガン、首長属とも呼称されるシャン属の暮らす北部等の魅力溢れる東南アジアの仏教国ミャンマー。

ぼく自身ミャンマーは2週間滞在して旅をしましたが、国内最大の都市ヤンゴンであっても民族衣装に身を包んだ人々が行き交う光景は、他の東南アジアのどの国とも異なる独特の雰囲気を醸し出していて思い出に残っている国の一つでもあります。

特に古都バガンの平原に仏教寺院や仏塔が点在する風景は、ミャンマーをもう一度旅したいと思わせる一つの理由でもあります。

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広い平原に寺院と仏塔が散在するバガンの光景

 

今回はそんなミャンマーのドローン規制についてご説明します。

 

実は明確な規制が存在しないミャンマー、しかし・・・

2017年10月、首都ネーピードーの国会議事堂周辺でドローンを飛行した外国人ジャーナリスト3名が当局に逮捕されました。

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最終的に彼らに言い渡された判決は2ヶ月の禁固刑。

しかしこの事件があった際、ミャンマーの法曹界ではちょっとした議論が巻き起こりました。

“一体どの法律を以って裁くのか?”

最終的に裁判所が下した決断は1934年に定められた航空法違反という結論だったのです。

 

実はミャンマーは他国のようにUAS、UAV、ドローンに限った法律・規制が存在しないのが現状です。しかしながら、ドローンを飛ばすことについて警察やセキュリティに意見を求めたり、実際にドローンを飛行するところを彼らが目撃した時に彼らが言うのは、

“ドローン飛行は違法”

というケースがほとんどです。

許可なしでのドローン飛行は”アンオフィシャル”に禁止されている、というのが現在のミャンマーのドローン事情を説明する適切な表現となります。ぼくの友人にタイで事業を行なっているミャンマー人がいるのですが、彼も同じことを言っていました。

 

飛行許可は必要

前述のように、もしミャンマー国内でドローンを飛ばしているところを警察やセキュリティに目撃された場合、かなりの高確率で飛行を止められる、最悪の場合上記のジャーナリストのように連行、実刑判決が下されるなどのトラブルに巻き込まれることが考えられます。

そうならないために事前に飛行許可が必要なのですが、残念ながらどこから飛行許可を取得すれば良いのか明記された情報はありません。

実際にミャンマーでのドローン飛行の許可を取得したことのある人物は、Ministry of Defense, Ministry of Information,  Ministry of Culture,  Ministry of Tourismの4つの当局から許可が必要だったとインターネット上のコミュニティサイトに投稿しています。

そしてミャンマー入国時にはこれらの許可を以って税関に赴き、税関スタッフのチェックを受ける必要があったと言っているのです。

実際、ミャンマーの税関には以下の注意書きがあり、リモートコントロールによる玩具類はDepartment of Communicationによって禁止されていると記載されています。

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前述の飛行許可を取得した男性も、税関での飛行許可のチェック時に、大量の没収されたドローンを見かけたと証言しています。

参考までに以下にミャンマーのドローン飛行許可に関連すると思われる当局のウェブサイトを記載します。ちなみにぼくが接続を試した限り、非常に遅いもしくは繋がった試しがありませんが、飛行許可取得にあたってはまずはDepartment of Transport and Communication Myanmarに問い合わせるところからスタートするのが良さそうです。

Department of Civil Aviation Myanmar
http://www.dca.gov.mm/

Department of Transport and Communication Myanmar
http://www.motc.gov.mm/my/search/node/drone

 

一部施設周辺は明示的にドローン禁止。トラブル事例も。

さて、これまで見てきたように限りなく黒に近い状態でドローン飛行が禁止されているミャンマーですが、一部の施設周辺では問答無用でドローンが禁止されている場所もあります。

一つの例として、最大の都市ヤンゴンの中心部に位置するミャンマーを代表する寺院であるシュエダゴンパゴダはドローン飛行が禁止されています。警備の目も非常に厳しいと考えられます。

実際にドローンを飛ばしていてトラブルに巻き込まれた事例もあります。

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【海外ドローン規制】ミャンマー: ヤンゴンの名寺シュエダゴンパゴダはドローン空撮禁止

もちろん冒頭で紹介した国会議事堂周辺やその他政府組織、軍事設備周辺でのドローン飛行はNGです。

 

いかがでしたでしょうか。

非常に難しいと考えられるミャンマーでのドローン飛行。

飛行許可取得についての情報も非常に限られていますし、取得にあたっては現地のネットワークや事情に明るい人の助けなしには現実的ではないと言えるでしょう。

一方でミャンマー政府はドローン規制を目下作成中という情報もあり、今後状況が変更になることも十分に考えられます。

 

<Reference>
https://consult-myanmar.com/2017/11/17/daring-to-drone-in-myanmar/
https://www.quora.com/Can-I-fly-my-drone-in-Myanmar

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