世界中から観光客を惹きつけてやまないフランス、パリ。
フランスという国名自体も、その首都であるパリも、名前を口にすればどこか気品ある響きを持ってぼくたちの頭の中に美しい欧州の街並みをイメージさせます。
エッフェル塔に凱旋門、ルーブル美術館と訪れる場所には事を欠きません。
モンサンミッシェルでドローン飛ばしてみたいなぁ・・・と思ったそこのあなた、ちょっと待って、出かける前には要注意!
現地のドローン規制はしっかりと調べてから出かけましょう。
ということで本日はフランスのドローン規制についてご紹介します。
フランスのドローン規制概要
フランスのドローン規制は他の国に比べても非常に細かく定義されているのが特徴です。規制の管轄当局Ministère de la Transition écologique et solidaire(日本語に訳すと交通、エコロジー省)です。
まず全てのドローン飛行は3つの目的に分類されており、その目的毎に細かに許可の種類や飛行ルールが定められています。
以下にその分類を記載します。

一つ目の分類はホビーと競技目的。空撮写真や映像の撮影、またはドローンレースなどの競技使用がこの分類に含まれます。
二つ目の分類は実験とテスト目的で、ここにはドローンのプロトタイプ開発とそのテスト飛行などが該当します。
最後の分類が特定目的飛行と呼ばれるもので、商業目的飛行など一つ目、二つ目の分類以外の全ての目的が含まれます。
今回の記事ではもっとも需要の高いと思われる”ホビーと競技目的”について記載します。
ホビーと競技目的のドローン飛行はさらにカテゴリAとカテゴリBに分類されます。
カテゴリAには、機体重量25Kg以下でエンジンを搭載していないドローン、もしくは機体重量25Kg以下で、かつ特定のスペック(容積250 cm3以下もしくは発電容量が15 kW以下の電気エンジン)以下のエンジンを搭載しているドローンが含まれます。紐をつけた状態で飛行させるドローンもこのカテゴリに含まれます。
一般の消費者向けに販売されているドローン、Inspireなどのプロフェッショナルユーズのドローンはホビー目的で飛行する限り、全てカテゴリAに分類されると考えて問題ありません。
Ministère de la Transition écologique et solidaireのウェブサイトでもこれらの規制が説明されています。ウェブサイトはフランスらしく全てフランス語です。
https://www.ecologique-solidaire.gouv.fr/drones-loisir-et-competition#
飛行許可の必要性
続いて気になるのが飛行許可の必要性。二つのカテゴリーにはどのような規制が適用されるのでしょうか。
まずカテゴリーAのドローンは、飛行エリアや飛行ルールに従って飛行する限り、当局からの飛行許可の取得は不要です。
これは趣味目的でドローンを飛ばすユーザにとってはとてもやさしいですね。
一方のカテゴリーBに属するドローンは、機体重量の問題もあり、当局からの飛行許可の取得が必要となります。許可の取得にあたっては、対象となるドローンの耐空制証明やパイロットの飛行技能証明が必要となります。
飛行ルール詳細
前述のように飛行許可が不要であっても、当然ながら守らなければならない飛行ルールが存在します。
ここでは詳細な飛行ルールを見ていくことにしましょう。
・地上から高度150mまでの高度で飛行すること。飛行高度は飛行エリアによってさらに低域に制限されています。詳細は以下のドローンマップを参照。
・視界の範囲内で飛行すること。ただし操縦者とは別の人物が飛行中のドローンを監視しながら飛行を行う場合は、安全飛行が保証され、必要な場合にドローンを制御できる条件において視界の範囲外での飛行を行っても良い。
・日中に限り飛行を行うこと。夜間飛行は別途許可が必要。
・都市部や人混み周辺での飛行は禁止。以下のドローンマップを見るとわかりますが、パリやその他の主要都市ではドローン飛行が禁止されています。
・空港周辺での飛行は禁止。大きな空港の場合、中心から10km以内は飛行禁止。
これら飛行ルールに従わない飛行や、飛行禁止エリアでの飛行は、それが操縦者が意図的に行ったものではない場合でも、最大6カ月の禁固刑と約17000USドルの罰金が課されます。
上記に記載していなくても一般的にドローン飛行が禁止されている場所はどの国でも存在します。以下の記事も参考にして十分に注意してください。
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ここはヤバい!! 万国共通ドローンを飛ばしちゃいけない場所リスト 投稿
政府作成フランスドローンマップが存在
フランス国内のどこでドローンを飛行することができるのかを知るために、フランス政府がドローンマップを公開しています。
実際にフランスでドローンを飛行する際は必須のツールです。
フランスドローンマップ
https://www.geoportail.gouv.fr/donnees/restrictions-pour-drones-de-loisir
下は実際のドローンマップの写真ですが、ご覧のようにパリは真っ赤となっており飛行禁止であることがわかります。
また、ドローンマップで示されたエリアの中で各色は以下の意味を持っています。
赤:飛行禁止
ピンク:最高飛行高度30m制限エリア
オレンジ:最高飛行高度50m制限エリア
黄色:最高飛行高度100m制限エリア
これ以外のエリアについては最高高度150mのルールが適用されます。
冒頭で触れたモン・サン・ミシェルはどうかというと、
下の図のように真っ赤になっています。モン・サン・ミシェルを訪問予定の皆さん、ドローンは置いていきましょう。
いかがでしたでしょうか。
細かい分類により規制が定義されてはいるものの、ホビー用途で飛行させる限りにおいてはほとんどのケースで飛行許可が不要なこともあり、フランスはドローンにはやさしい国と言えるでしょう。
ドローンマップも提供されていることからどこでどこまで飛ばしていいのかが明確に定められている点も高評価です。
それでは最後にフランスのカブールで開催されたドローンフィルムフェスティバルのグランプリ作品、モン・サン・ミシェルのドローン映像をご覧ください。
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