海外ドローン規制シリーズ、今回は初の北欧を取り上げます。
北欧最初の国はフィンランド。
北欧諸国と言えば共通するのが充実した社会保障や教育制度。社会福祉や保健サービスは万人が公平に受けることができ、多くが無料または非常に低い料金で提供されます。また教育についても小学校から大学まで学費が無料という手厚い政府のサポートを享受することができるのです。(その分税金は高いですが)
文化面でもムーミンが生まれたのはフィンランドですし、鮮やかな色と大胆なプリント柄で有名なアパレルブランド、マリメッコもフィンランド産です。
そしてあのサンタクロースの故郷でもあります。

そんなフィンランドのドローン規制は一体どのようなものなのか、早速見ていくことにしましょう。
フィンランドのドローン規制概要
商業飛行であってもライセンスは不要
フィンランドではドローン飛行が認められています。またその規制はフィンランドの民間航空当局であるFinnish Transport Safety Agency(Trafi)によって定められており、以下のようにまとめることができます。
レクリエーション目的飛行については、定められた飛行ルール、エリアに従って飛行する限り、飛行許可やライセンスの取得は不要です。
また、商業目的飛行についてもライセンスは不要であり、事前にTrafiにオンラインで飛行内容を申請するだけで済むという非常にシンプルでやさしい規制となっています。
<Trafiオンライン申請システム>
https://www.trafi.fi/en/aviation/unmanned_aviation/notification_on_the_use_of_remotely_piloted_aircraft
飛行ルール詳細
ここでは実際に飛行する際に従う必要のある飛行ルールについて見ていきましょう。
- 目視の範囲内で飛行すること
- 人混み上空での飛行は禁止
- 最高飛行高度は地上から150メートル
- 居住エリア上空での飛行はドローンの機体重量が3kg以下の場合に可能。この場合操縦者は飛行するエリアについて地理的な十分な知識があることと、安全に飛行することを保証すること
- 他人のプライバシーに配慮すること
- 空港から5km以内を飛行する場合は、管制塔の許可を得ること
- 空港から5km以上離れた空港周辺では最高高度50mで飛行すること
- 常識・良識のある飛行を行うこと(Common Sense)
Trafiではこうした飛行ルールの周知のために、コミカルなキャラクターを用いた映像も後悔しています。フィンランド語ですが、映像だけでもメッセージは伝わりますのでぜひご覧ください。
飛行可能エリア
Trafiではフィンランド国内のドローンを安全に飛ばせる場所としてモデル航空機用に整備されたエリアを下記の地図と共に推奨しています。
<参考>Drone flying areas
https://www.droneinfo.fi/en/drone_flying_areas
また飛行ルールの項で説明した空港周辺以外にも飛行禁止エリアが存在しており、都市中心部や、原子力発電所、石油精製所、政府系組織の入る建物周辺はNo Drone Zoneとして定義されています。
<参考>No Drone Zone
https://www.droneinfo.fi/en/no_drone_zones
国立公園や自然保護区でのドローン飛行に関する記述は見つかりませんが、ケースバイケースで禁止されている場所も考えられますので、それぞれの場所の案内所に確認するなどした方がベターでしょう。
いかがでしたでしょうか。
個人的には飛行ルールの最後にある、”常識・良識(Common Sense)のある飛行を行うこと”というのが気に入っています。他の国のドローン規制で同じものは見たことがありませんし、結局ドローンを飛ばすことってこれ一言に尽きると思うんですね。
相手や周囲の状況を注意深く観察し、少しでも危険やリスクを感じたなら、飛行をやめる勇気を持つ。
フィンランドのドローン規制からは、操縦者は良識を持っているものだという性善説に最大限寄り添い、最低限の規制で運用していくという政府の方針を読み取ることができます。
一人一人のパイロットがこうした意識を持つことができれば、巷で発生しているドローン関連事件(空港周辺でもドローン目撃、プライバシー侵害など)は減るはずですし、それがドローン規制強化のトレンドを留めることにも繋がります。
それでは最後にフィンランドのドローン映像をご覧ください。
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