【海外ドローン規制】デンマーク

海外ドローン規制シリーズ、今回は北欧デンマークを取り上げます。

調べてみてわかりましたが、デンマークのドローン規制は他国とは少し異なった様子をしています。

早速詳細をみていくことにしましょう。

 

デンマークのドローン規制概要

デンマークではドローン飛行が許可されています。ドローン規制はデンマークの民間航空当局であるDanish Transport, Construction and Housing Authority(通称Trafik)によって定められています。

他国と異なるデンマークのドローン規制の特徴は、規制が飛行するエリアによって分類されており、下記のように整理することができます。

 

denmark drone.jpg

デンマークのドローン規制では、国土を都市部、居住区に当たるBuilt-Upエリアとそれ以外のUndevelopedエリア(未開発エリア)の二つに分けており、それぞれでドローン規制を敷いています。

Built-Upエリアは生活や娯楽、商業のために用いられているエリアであり、Trafikの定義によれば、商業施設、スポーツイベント施設、港や産業施設やキャンプサイトを含みます。

また公園やビーチ、その他エリア等上記のエリアに繋がる地域は全てBuilt-Upエリアとして考慮されます。

Buil-Upエリアにおけるドローン飛行はTrafikから発行されたドローンライセンス保有者による商業飛行のみが許可されています。

従ってレクリエーション目的飛行はUndevelopedエリアに限って行うことが可能ということになります。

Buil-Upエリアでの飛行のためのドローンライセンス取得にあたっては、デンマーク国内での講義参加、テストへの合格並びに24のフライト実技と過去1年間の4時間のフライト実績が必要です。

またデンマークにおいてはドローンはその機体重量によって以下の二つに別れており、スモールドローンについてはBuil-Upエリア、Undevelopedエリアのどちらにおける飛行についてもドローンの機体をTrafikに登録することが必須となっています。

DJIのSparkやMavic Air, Mavic Proといった比較的小さいコンシューマ向けドローンであってもスモールドローンに分類されますので、デンマークでドローンを飛ばそうという人はこの機体登録のプロセスが必須となります。

  • マイクロドローン(Micro-drones): 機体重量が250グラム未満かつ最高飛行速度が時速50km以下のドローン
  • スモールドローン(Small drones): 機体重量が250グラム以上25kg未満のドローン

 

機体の登録は以下のURLからオンラインで行うことが可能です。登録が完了すると登録番号が発行されるので、名前と電話番号と一緒に機体に貼り付ける必要があります。

Trafikドローン登録ページ
https://blanket.virk.dk/blanketservice/orbeon/fr/public/drone-registration-outside-built-up-areas-english/new

 

さらに機体登録に加え、Undevelopedエリアでのドローン飛行を行う全ての人はDrone Awareness Accreditationという操縦者の技能と飛行知識を問うオンラインテストに合格する必要があります。受講は下記のURLから可能で、合格すると24時間以内にDrone Awareness Accreditationが発行されるので飛行時には常に携帯するようにしましょう。

Drone Awareness Accreditation
https://blanket.virk.dk/blanketservice/orbeon/fr/public/drone-awareness-accreditation-english/new

デンマークのドローンライセンス取得のための講義提供スクール
http://www.trafikstyrelsen.dk/DA/Luftfart/Flyveoperationer/Luftfartserhverv/Droneflyvning-i-Danmark/Godkendte-uddannelsessteder.aspx

 

飛行ルール詳細

都市部は商業飛行のみ許可、レクリエーション目的飛行は未開発エリアでのみ可能。飛行目的によらず機体登録が必要というのが上記でご紹介したドローン規制概要でした。

ここでは詳細な飛行ルールについてみていくことにしましょう。

  • 都市部では地上から高度120メートルまで、地方では100メートルの範囲で飛行すること
  • 目視の範囲内で飛行すること(FPVを使用する場合は別途許可が必要になることが考えられますが詳細については記載がありませんでした。)
  • 操縦者が12才未満の場合は、第3者の監督の元飛行すること。機体重量が7kg以上のドローンは操縦者の年齢は16才以上であること。Built-Upエリアでの飛行は18才以上に限られ、飛行記録を最低2年間は保持すること。
  • 民間空港の周辺5Kmは飛行禁止。軍事空港の周辺8kmは飛行禁止。
  • 都市部での夜間飛行は特別許可の元行うこと。未開発エリアでは夜間飛行は特別許可なしに可能。
  • 以下に定める安全距離を保って飛行すること
    • 有人船舶、ボートからは50メートル
    • 操縦者のコントロール配下にない人物から50メートル
    • 建造物から100メートル(管理者の許可がない場合)
    • 政府系組織の建物、大使館、警察署、刑務所、軍事施設、その他類似施設からは150メートル以上
    • 警察や救助などの緊急活動が行われている場所から150メートル
    • 高速道路やBuilt-Upエリアから150メートル

デンマークドローンマップ

最後に飛行可能エリアの確認です。

デンマークではTrafikからドローンマップが提供されており、デンマーク国内の飛行禁止、可能エリアを確認することができます。

Screen Shot 2018-07-08 at 14.08.38.png

Trafikデンマークドローンマップ
https://www.droneluftrum.dk/

マップ上で色がついている場所はBuilt-Upエリアに該当する地域または(ライセンスがあっても)飛行が制限されるエリアです。

色のついていない場所はUndevelopedエリアになりますので、レクリエーション目的飛行はこのエリアで認められていることになります。

またこのドローンマップはAndroid、iOSの双方でモバイルアプリとしても提供されていますので、現地に着いてから飛行場所の最終確認をするにも便利です。

モバイルアプリ
Droneluftrum by Naviair

 

いかがでしたでしょうか。

レクリエーション目的飛行は機体登録とテスト合格の二つが必要とあって、多少の手間がかかるもののオンライン化されていることから国外にいても手続きができるのはプラスです。またドローンマップも提供されており、透明度の高いドローン規制と言えます。

それでは最後にデンマークのドローン映像でお別れとしましょう。

 

<Reference>
http://www.trafikstyrelsen.dk/~/media/Dokumenter/08_Luftfart/Flyveoperationer/Luftfartserhverv/BL9-4_uk.pdf

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