【ドローンと空の安全】ドローンと航空機空中衝突か!?

オーストラリアでまたドローンと航空機の事故が発生しました。

2017年7月11日(火)オーストラリアパラフィールド空港上空で小型航空機(TB10トバゴ)を操縦していたパイロットが、飛行中にドローンと思われる物体が機体の右翼に衝突したと報告しました。

航空機は無事に空港に着陸し、怪我人等はありませんでした。着陸後、現地警察に連携するとともにAustralian Transport Safety Bureau(オーストラリア交通安全当局)による調査委員会が発足。現在も継続調査をしています。

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出典:http://www.adelaidenow.com.au/

 

当日機体を操縦していたのはパラフィールド空港に拠点を置くアデレード航空学校のインストラクター。

事故の状況をこう振り返ります。

“何かが右翼に衝突したのは間違いない。だがそれが鳥なのか、ドローンなのかはわからない”

着陸後に彼が右翼を確認したところ、血のようなものは見つかりませんでした。通常はそれが鳥が衝突したかどうかを確かめる手がかりとなるのですが、今回はそれが認められなかったため、彼はドローンが衝突したのではないかと推測しています。

 

オーストラリアではオーストラリア民間航空安全当局CASAによって空港から5.5Km以内のドローン飛行は禁止されています。

仮に今回の事故がドローンと航空機の衝突であることが認められれば、不幸にも史上初のドローンと航空機の空中衝突事故となります。

 

<関連記事>
懸念が現実のものに。歴史上初めてのドローンと飛行中旅客機の衝突事故発生か?

 

<Source>
http://www.adelaidenow.com.au/news/south-australia/light-plane-and-drone-collide-near-parafield-airport-in-adelaides-north/news-story/efd0a4a189273bdecd3d1f94eff01323

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【ドローンと空の安全】イスラエル首都テルアビブの空港でドローンが航空機を脅威にさらす

史上最悪の無謀なドローン飛行と言えるでしょう。

ただ呆れるばかりです。

 

事件の概要

2017年7月17日、イスラエルの首都テルアビブのスデ・ドブ空港に着陸しようとしていた旅客機をドローンで撮影していたとして、21歳の男が逮捕されました。

イスラエル当局の発表によるとこの男Niv Stobenzkiは7月14日、テルアビブの空港から0.5マイルほど離れたアウトドアバーに出かけ、そこでドローン(DJI Mavic)を離陸。空港近くまでドローンを飛行させ、そこで着陸中の航空機(旅客機)数機を撮影。

動画は男によりYoutubeに投稿され、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアにも拡散。

男は警察により逮捕され、ドローンを取り上げた上で5日の自宅監禁処罰中となっています。

 

27メートルの至近距離

男が投稿した動画のディスクリプションによるとドローンは航空機からわずか90フィート(約27メートル)の至近距離を飛行。

動画のコメントには当然の事ながら非難の嵐。

中には実際の航空機のパイロットとしてテルアビブの空港に頻繁に着陸をしているパイロットと見られる人物からのコメントも。(下記写真の一番下のコメント)

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Mavicの製造元であるDJI社もコメントを発表し、男を強く非難。

我々は今回の旅客航空機に対して脅威をさらした意図的違法ドローンの調査のために国家航空当局を全面的にサポートする。

としています。

 

男は動画の中でドローンを操縦する自分をまるで自慢するかのようにハイライト。

せっかくなのでここに姿を晒しておいて差し上げましょう。

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2017年7月19日現在、動画はまだYoutubeで閲覧可能ですが、あえてここではそのリンクは載せないでおきます。

 

空の安全を確保する対策が急務

当ウェブサイトでは連載企画としてドローンが脅かす空の安全を取り上げています。

違法ドローンを取り締まる仕組みは、ジオフェンスや最新ファームウェアによる飛行禁止エリアでの離陸強制停止、ドローン銃、捕獲ネットなど色々なアイデアが生み出されています。

しかしながら今回のようなドローンが空の安全を脅かす事件は増加の一途を辿っていることは事実。どの国、どの空港も確固とした対策が打ち出せていないのが実情です。

先日投稿した以下の記事のように飛行中のドローン情報を一元管理・モニタリングし、遠隔操作で飛行を強制停止できるような仕組みが求められます。

<関連記事>
ドローンの登録制度のメリットについて語ろう

 

<Source>
http://www.bbc.com/news/technology-40633913
http://www.ibtimes.co.uk/dji-drone-enthusiast-arrested-israel-filming-planes-landing-tel-aviv-airport-1630650
https://www.suasnews.com/2017/07/dji-condemns-unsafe-mavic-flying-near-tel-aviv-airport/

【ドローンと空の安全】米FAAによるドローンと空港・航空機ニアミス事件の調査データ

今日は毛色をちょっと変えて公的機関による調査データの紹介をします。

ドローン業界に携わっていてもいなくても、ドローンが関連する事件について研究している方々の少しでも参考になればと思います。

 

さて、昨今ドローンが空港周辺で目撃されたり、はたまた飛行中のパイロットが自機の近くを飛行するドローンを目撃したりとドローンが空の安全を脅かす存在として捉えられているのはドローンに詳しい人であればご存知のところでしょう。

アメリカの連邦航空局FAAは2014年からドローンが関連する事故の記録を取り続けており、その情報がFAAのウェブサイトで公開されています。

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このように日付と事件が発生した都市、州、事件の概要がエクセルシートにまとめられて公開されています。

2016年10月から12月の3ヶ月だけをみても、何と400件近くのインシデントが報告されています。

graphs FAA drone incident.jpg

こうしてグラフで見るとその件数の増加傾向と発生件数がいかに多いかがわかります。

今はデータがスプレッドシートで公開されているだけですが、個人的にはデータベース化して全世界のドローンインシデントを一元管理していくべきだと考えています。

きっとドローン業界・空の安全向上に繋がるでしょう。

 

 

データは以下のURLからダウンロード可能です。

各種調査にぜひ活用してみてください。

https://www.faa.gov/uas/resources/uas_sightings_report/

【海外ドローン規制】アメリカ 空港近くでのドローン飛行許可を管制官に確認した男のエピソード紹介

不定期連載でお届けしている海外ドローン規制シリーズ。

今回はアメリカのドローン事情にまつわるエピソードをご紹介しましょう。

世界の他のどの国の例にも違わず、アメリカ国内においても、空港周辺でのドローン飛行は規制されています。特別な許可を得ない限り原則はドローン飛行はできない訳です。

これは言うまでもないですね。

 

空港にドローン飛行の許可を訪ねた男

ここにアメリカはフロリダ州に住む一人のアメリカ人男性がいます。

彼はベイフロントパークという公園でドローンを飛ばしたかったのですが、地図でその公園の場所を確認したところ、近くにはサラソタ空港があることを確認。

公園と空港の距離は5マイル以内(およそ8Km)となっており、FAA(米連邦航空局)の定めるドローン規制エリアに該当しています。

位置関係は下記のようなイメージです。

 

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そこで男は空港に電話をします。ドローンを飛ばして大丈夫か確認をしようというのです。

以下にその会話の概要をまとめてみましょう。

 


男: すみません、今日ドローンを飛ばそうと思っている場所がそちらの空港から5マイル以内にあるのでお知らせしたいのですけど。

サラソタ空港職員: 了解しました。高度はどれくらいですか?

男: 300フィート(90メートル)以下です。

空港職員:わかりました。管制塔の番号をご連絡しますので、そちらに連絡をお願いします。

そちらの現在地の住所を教えていただけますか?

男は住所を空港担当者に連絡し、管制塔に電話。

男: すみません、今日ドローンを飛ばそうと思っている場所がそちらの空港から5マイル以内にあるのでお知らせしたいのですけど。

管制塔担当者:申し訳ありませんが、空港から5マイル以上離れたところでないといけないのですが。ドローンの機体の登録であったり、関連する必要なプロセスは終了していますか?

男: はい、機体の登録番号をお伝えします。

管制塔担当者:どのあたりで飛行を行う予定ですか?

男: Ringling橋のすぐあとにあるベイフロント公園です。

管制塔担当者:飛行高度はどれくらいですか?

男: 200フィートか150フィート(60メートルか45メートル)以下になると思います。

管制塔担当者:空港からどれくらい離れた場所ですか?

男: ベイフロント公園です。
(携帯電話で地図を確認しながら)空港の中心からちょうど4.8マイルの場所です。

管制塔担当者:Ringling橋から4.8マイル、高度は150フィートですね。

管制官(注:おそらく)に確認しますのでお待ちください。(訳注:このタイミングで少し誤解が生じている。)

別の管制塔担当者:ドローンを飛ばすとお聞きしましたが。

男:はい。

別の管制塔担当者:再度確認したいですが、飛行場所はRingling橋から4.8マイル、高度は150フィートですね。

男:いや、空港の南側中心地から4.8マイルです。Ringling橋から0.5マイルの場所です。高度は150フィートです。

別の管制塔担当者:150フィートですね。それであれば全く問題はありません。
何時に飛行しますか?

男: 今から15分後の13:00です。

別の管制塔担当者:今から15分後ですね。飛行時間はどれくらいですか?

男:10分です。

別の管制塔担当者:10分ですね。全く問題ありません。

連絡を頂きましてありがとうございます。何の問題もないことを祈っております。

男:ありがとうございます。


 

この後晴れてこの男性はベイフロント公園で実際にドローン飛行を実施することができました。下記がその映像です。

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Calling the airport to fly a droneより

 

 

なぜこんなことが可能なのか?

さて、一般にドローン飛行が規制されている空港周辺ですが、なぜこの男性のようなケースが可能なのでしょうか?

FAAの規制の詳細を確認すると意外な事実がわかります。

冒頭に述べたように、FAAの定める規制では空港から5マイル以内は飛行禁止となっています。

しかし、レクリエーション目的(ホビー目的)での飛行に限って言えば、事前に空港ならびに管制塔に連絡をすることで、飛行することが可能です。

実際にFAAのガイドラインを確認してみましょう。

Airports(空港周辺について)

Recreational operators are required to give notice for flights within five miles of an airport to both the airport operator and air traffic control tower, if the airport has a tower. However, recreational operations are not permitted in Class B airspace around most major airports without specific air traffic permission and coordination.

(著者訳)
レクリエーション目的でのドローン飛行について、ドローン操縦者は空港と管制塔(ある場合)の両方に対して、空港から5マイル以内の場所での飛行を行う旨、通達を行う必要がある。
しかしながら、レクリエーション目的での飛行は、特別な許可と当局との調整なしには、ほとんどの空港の周辺であるクラスBの空域では認められていない。

(出展)
https://www.faa.gov/uas/where_to_fly/airspace_restrictions/

正直驚きでしたが、ここに記載されているように、レクリエーション目的に限って言えば、事前に空港と管制塔に具体的な飛行に関する情報を連絡すれば、飛行することは可能となっています。

FAAや各国の航空当局がなぜ空港から一定マイル(km)以内は飛行禁止としているかと言うと、それだけのリスクがあるからであって、個人的にはそこまでして(仕事でも何でもないのに)、飛ばす必要があるかと疑問が残るところです。

ここに登場する男性のように、自身が空撮を行い場所が仮に空港からの規制範囲以内にある場合に、どうやって空港とコンタクトを取り、何を伝えるべきかということの一つの事例紹介にはなるかと思い紹介をしました。(あくまで米国の事例です。

実際の会話のやりとりを確認したい方は下記の動画からご確認ください。

 

(Reference)
https://www.faa.gov/uas/getting_started/fly_for_fun/